変化する災害。これからは水害の20年?

2018年7月の西日本豪雨は、豪雨としては近年まれに見る被害をもたらしましたが、戦後からの日本の災害の歴史を振り返ってみると、災害には大きな傾向があることに気づきます。それから導き出される結論。

それは、今後しばらくは、水害被害が増えるのでは無いか、という恐れです。


戦後すぐは、台風被害
戦後3年しか経っていない昭和34年の伊勢湾台風は、実に4697人もの死者をだしています。ところがその後、台風が通っても死者行方不明を合わせた人的被害は100人を切っています(気象庁のデータから)。
たぶん、伊勢湾台風を契機として台風対策が積極的に取られたのでしょう。それ以来、大きな台風被害は無くなっています。

その後は、地震被害
 台風対策が進むと、台風被害は減少していくものの、次の大きな災害は1995年の阪神大震災で死者6434人でした。それまでにも時々大きな地震はあったのですが、人口密集地を襲ったのはこれが初めてです。

・地震対策も進む
そして、この地震を契機としていろいろな地震対策が取られるようになり、法律も大きく改定され、地震対策がより強化されていきました。今では住宅の耐震性を語るときに「耐震等級」という言葉は当たり前のように使われています。
それだけ建物の耐震性については、注文者や住宅会社に広く浸透していますし、今では性能評価証明や長期優良住宅の認定を取るかどうかは別にしても、実質的に耐震等級2前後の住宅が非常に多くなっています。


・その後しばらくは、局所的な豪雨災害が続いた

その後は東日本大震災で生じた津波被害、液状化被害を別格にすれば、豪雨被害が多くなっています。ゲリラ豪雨、集中豪雨、局地的な豪雨です。突風、竜巻も同類かもしれません。そして、しばらく局地的な豪雨被害が無いなと思っていたところに、突然の西日本豪雨です。

今後20年は、水害被害
このように振り返ってみると、台風被害を受けて台風対策が進められ、それが一段落するのを待っていたように大地震が起こり、地震対策が真剣に進められました。そして、その目鼻が付く頃に豪雨被害が始まる。 このように、なにか災害の質・中身が時代とともに大きく変化しているような気がしてなりません。
また、東日本大震災の前には奥尻島の津波があり、今回の西日本豪雨の前には局所的な豪雨が多発するという予兆的な現象も起こっていました。

劣化するインフラ、多発する局所的豪雨
このように災害を俯瞰して見ていくと、台風対策も地震対策も一巡した今、今後ますます水害被害が続くと考えられます
その理由は、いろいろあります。
河川改修の遅れや下水道といった排水インフラそのものの劣化。都市化のドーナツ化による地面の治水能力の低下。詳しくは下記のページで紹介していますが、一言で言うとインフラの老朽化による治水能力の低下と、近年のゲリラ豪雨、集中豪雨、局地的な豪雨の多発による複合的な要素で水害が多発する可能性が高くなっている、と考えてもいいのではないでしょうか。

 

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