断熱と暖房-断熱化の効果とコスト

Sponsored Link

断熱の区分

建築基準法では無規定

日本では、省エネルギーが叫ばれるたびに新しい断熱の指針が出来、今では4つの段階の断熱区分が生まれています。なお、建物を規制している法律、建築基準法では断熱に関する規定はありません。そのため、断熱材を入れなくても違法ではありません。

旧省エネルギー仕様(フラット35)

昭和55年当時に出来た法律が基準としたのが、今で言う旧省エネルギー仕様と呼ばれる断熱性能です、フラット35の住宅ローンを組む場合でも、最低限、この基準を満たす必要があります。

Ⅳ地域で必要なグラスウール断熱材の厚み

Ⅳ地域
天井45
外壁35
30

省エネルギー仕様

平成4年に改訂された法律が基準になっている仕様で、昔の公庫省エネルギー仕様がこの基準を使っています

Ⅳ地域で必要なグラスウール断熱材の厚み

Ⅳ地域
天井100
外壁70
90

注:現実に全ての部分を同じ断熱材で行うことはありませんが、この表では、比較を容易にするために、全てをグラスウール(10K)で表現しています。

  • 地域のみ、気密住宅とし、他は気密住宅ではありません。
  • 以外の地域で気密住宅にすれば、断熱材の厚みは約70%程度にすることが出来ますが、気密化工事が必要になってきます。

次世代省エネルギー仕様

平成11年に改訂された法律がきじゅんとしているもので、次世代型省エネルギー基準と呼ばれています。 高断熱・高気密住宅とも言われています。長期優良住宅で必要な仕様です。
次世代型は、上の一般型と異なり、地域は分けていますが、その中の市町村毎に地域を指定しています。

Ⅳ地域で必要なグラスウール断熱材の厚み

.Ⅳ地域
天井210
外壁115
175

注:次世代型では、内断熱工法と外断熱工法で断熱材の厚みが異なります。

  • グラスウール(10K)の場合の厚みです。
  • この表では、内断熱工法で比較しています。

平成28年基準

平成25年に改訂された法律で、「建築物省エネ法」となりました。
断熱計算の方法が変更され、地域区分も以前よりも細かく指定されたものの、必要な断熱材の厚みは、上の「次世代省エネルギー仕様」とほぼ同じです。
次世代省エネルギー仕様と比較して、地域区分がより細かくなった。計算方法が変わったが、断熱材の厚みはほとんど変わっていない、と考えれば良いです。

断熱性能比較とコスト検証

上記のように、断熱には法律が準じ改訂されていく過程で断熱無しの段階から、次世代省エネルギー仕様(平成28年基準も同等性能)の住宅まで4つの仕様が作られてきました。

上の表のⅣ地域の外壁の断熱材の厚みの変化をみれば一目瞭然ですが、断熱化か進むほど、断熱材の厚みも厚くなっていくのがわかると思います。

上 の3つのケースをモデルプランで、代熱性能の比較とコストシミュレーションしてみましょう。
注)単価は、地域、工事業者などによって異なるため、 あくまで、概算的な目安とお考えください。

条件
地域...東京、大阪などⅣ地域の住宅
工法...在来木造住宅 2階建て
延床面積.35坪の総2階建て
断熱工法.内断熱工法(充填工法)と外断熱工法の比較
どちらもフラット35最低基準以外は、窓は、一般サッシ+二重サッシにしている。
東京、大阪などⅣ地域の住宅公庫最低基準
フラット35仕様
公庫最低基準
フラット35仕様
公庫最低基準
フラット35仕様
外壁の断熱材の厚み35mm35mm35mm
1時間に逃げていく熱量(内外温度差15℃)1.38倍1.38倍1.38倍
コスト-1(内断熱工法)19万円19万円19万円
コスト-2(外断熱工法)115万130万

注:高断熱化のコストアップ要因
断熱サッシ、樹脂サッシ、木製サッシなどを使用すると価格は大きくアップします。 高断熱化で、もっともコストがアップする要素は、断熱材の厚みではなく、サッシやドアの高断熱化や全熱交換タイプの換気扇などを導入することによるものです。

Sponsored Link

Sponsored Link