熱が、材料を通して温度の高い空間から低い空間へ伝わる現象を熱貫流といい、そのときの「熱の伝わりやすさ」を表す数値を熱貫流率という。
この数値が小さいほど熱を伝えにくく、断熱性能が高い。
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熱貫流率の計算
POINT
1.材料の熱貫流率と材料の厚みがわかれば、その材料の熱貫流率は計算できる。
2.上記の式から、断熱性能は、厚みに比例することがわかる。
1.材料の熱貫流率と材料の厚みがわかれば、その材料の熱貫流率は計算できる。
2.上記の式から、断熱性能は、厚みに比例することがわかる。
実際の熱貫流率の出し方
・屋根、天井、壁、床等のいろいろな材料が重なって構成されている部分は、それぞれの熱貫流率の合計
・さらに、室内側、屋外側の熱抵抗も加味する。
といった計算を行いますが、単純に断熱性能を比較するには、上記の式で十分です。
代表的な材料の熱貫流率と断熱に必要な厚み
材料名 | 熱伝導率(W/(m.K) | グラスウール10K、100mmと同じ断熱性能にするために必要な厚み(mm) |
---|---|---|
コンクリート | 1.6 | 3,200 |
レンが・土 | 0.62 | 1,240 |
水 | 0.59 | 1,180 |
ALC | 0.17 | 340 |
木材(中間値) | 0.15 | 300 |
断熱材・グラスウール10K | 0.05 | 100 |
断熱材・ポリスチレンフォーム(中間値) | 0.037 | 74 |
断熱材・硬質ウレタンフォーム(中間値) | 0.025 | 50 |
空気 | 0.026 | – |
グラスウール10K、100mmと同じ断熱性能にするために必要な厚みは、それぞれの材料の熱伝導率÷グラスウールの熱伝導率0.05で求められる。
なお、鉄の熱伝導率は45W/m.K。アルミニウムは210W/m.Kなので、断熱の効果は全く期待できない材料です。
よくある誤解
Q ALCは断熱性能がある??
A 答えは△
・ALCの熱伝導率は、0.17です。
・厚み50mmのALCの熱貫流率K値は、3.4です。
・厚み100mmのALCでも、1.7です。
・グラスウール10K、100mmの熱貫流率K値は、0.5です。
つまり、厚み50mmのALCでは、グラスウールの1/6.8の能力、
厚み100mmのALCでも、1/3.4の能力しかありません。
ALCに断熱性能があると誤解されているのは、あくまでも他の建築材料と比較してのことです。断熱材料との比較では、歴然とした差が存在します。
A 答えは△
・ALCの熱伝導率は、0.17です。
・厚み50mmのALCの熱貫流率K値は、3.4です。
・厚み100mmのALCでも、1.7です。
・グラスウール10K、100mmの熱貫流率K値は、0.5です。
つまり、厚み50mmのALCでは、グラスウールの1/6.8の能力、
厚み100mmのALCでも、1/3.4の能力しかありません。
ALCに断熱性能があると誤解されているのは、あくまでも他の建築材料と比較してのことです。断熱材料との比較では、歴然とした差が存在します。
Q 火にも強くて、丈夫なコンクリートは断熱性能がある??
A 答えは×
・コンクリートの熱伝導率は、1.6です。
・厚み150mmの熱貫流率K値は、10.6となり、全く断熱性はありません。
・上の例のように、グラスウール10K、100mmと同等の断熱性能を有するコンクリートにするためには、実に3.2mもの厚みが必要です。
コンクリートは火に強いから、断熱性能もあると考えるのは大いなる誤解。
耐火性能と断熱性能は直接関係しない。
A 答えは×
・コンクリートの熱伝導率は、1.6です。
・厚み150mmの熱貫流率K値は、10.6となり、全く断熱性はありません。
・上の例のように、グラスウール10K、100mmと同等の断熱性能を有するコンクリートにするためには、実に3.2mもの厚みが必要です。
コンクリートは火に強いから、断熱性能もあると考えるのは大いなる誤解。
耐火性能と断熱性能は直接関係しない。