耐震性アップは可能か?
耐震性を高めるには高くつく。
筋交いが多すぎるのは、良いことではない。
これだけ間取りが変わると構造計算も大変です。 よく聞かれる言葉です。
でも、全てウソ。というのは、今までの説明から十分におわかりですね。
手間がかかるからイヤなのかも知れません。慣れればわずか1時間もかからない作業です。全て根拠の無い事ばかりですね。
1.構造計算は大変?
時々、こんな言葉で建築主を惑わすおバカさんな営業マンが存在します。
木造2階建ての構造計算といっても、前項までの説明のようにほとんど壁量計算ですから、慣れればわずか30分もあれば完了です。こんな事を本気で言う営業マンは何も知らない大バカ者か、素人を騙そうとしているかのどちらかですね。
もし、こんなことを言われたら、今までのページを渡して「あなたもできますから、どうぞ」と言ってみましょう。
2.筋かいが多いとダメ?
同じ間取りを軸組工法と2x4の両方で計画すれば、2x4工法の場合は、普通の計画をしても、基準法壁量の2~3倍、場合によっては5倍程度の高い耐震性を確保しています。 筋交いなど、耐力壁が多すぎるとまずいということは全くありません。
自分で計画も計算もしたことのない、おバカさんのいうことです。
下の図は、例題建物を軸組工法と2×4工法で壁量を比較したものです。
当然基準法上の必要壁量はどちらも同じです。しかし、軸組工法は一生懸命筋交いを配置しても1.41~2.56倍にしかなりません。 しかし、2×4工法は、内外等、壁であれば耐力壁に出来るため、基準法の2.5~3.97倍もの耐力壁を確保しています。
つまり、耐力壁が多いからダメ!という理由などどこにもないのです。
注:偏った配置はダメですょ。
3.耐震性は高く付く?
耐震性を高める筋交いなどを増やすと建物の価格が高くなるということを平気でいう人がいます。では、どの程度のコストか計算してみましょう。右図のようにわずか1万円ちょっとです。仮にこの筋交いを10カ所増やしても、10万円強程度にしかなりませんね。
前項「耐震性を高めるには」の例のように、耐力壁の量を、等級1程度の建物を等級3前後にするのに、1階だけで合計11カ所の筋交いを追加するだけなのですから、その費用はせいぜい10万円前後なのです。