ついでなので、2階建てと3階建ての違いを図示してみました。
3階建ての建物は、頭でっかちですね。上に2階分が載っているからなおさらですし、積載荷重も2階建ての場合は、2階だけを考えれば良いのですが、3階建ては2階と3階の2層分を加算する必要があります。建物自重も、同じ面積であるとすれば、3階建ての方がより重くなるのでしょう。
つまり、3階建てはいい加減な設計ではダメ。
キチンと構造計算をして、安全性を確かめないとダメ。 というのが、この図を比較してもうなずけそうです。
ついでなので、3階建ての地震力の計算例を示しておきます。
わっ。もうイヤ!!
難しそう!!
見たくない!!
という声が聞こえてきそうですが、やっていることは馬鹿のような単純作業です。
こと1階の地震力は、ひたすら建物自重と積載荷重(60kg/m2)と地域によっては積雪荷重を計算して、建物の全体としての重さを出し、後はそれに耐震等級1ではあれば0.2をかけるだけです。そして、建物の重さは、1階の階高の下半分はいらない・・ということです。 理屈はいたって簡単ですからね~。
余談ですが、単位荷重の代表的な部分は法律で示されていますが、実際には構造設計者の性格で、安全側に重たく単位荷重を見る人と、法律ギリギリの荷重で見る人などいろいろです。ということは、実は、全く同じ建物でも荷重の拾い方に個人差が出ますから、計算されてくる地震力は構造設計者によって幅がでるんですよ。
一番下の1階の重量累計は、196.5kN(19.6トン)となっていますが、人によっては、単位荷重を重めに見たり、壁の長さなどを少し余分に見たりしていると、全体として250kNになったり、あるいは180kNになったりします。そうするとこれに0.2をかけたのが1階に加わる地震力ですから、人によって算定される地震力が違ってきます。
3階建てって、厳密そうに見える構造計算も、ある面でものすごくファージーなのです。
(どちらかというと重めに計算する構造設計者が多いですが・・)