コンセントから隙間風

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小屋裏換気が無く、あるいは空気の出入り口が閉塞していればどうなるのでしょうか。
このページで紹介する東京23区内のあるお宅(B邸)では、小屋裏の屋根合板にびっしりと水滴が付く内部結露が発生したのです。

その原因は、小屋裏に空気が入ってこなかったことが原因でした。

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B邸:勾配天井により、空気の通路が塞がれていて、内部結露が発生

前回のA邸では、外壁通気層の空気の出口がないために湿気が滞留し、壁内に内部結露を起こしました。
B邸では、右図のように、外壁通気を上ってきた空気や、軒先換気口から入ってくる空気を小屋裏を経て棟換気口から排出する計画でした。
しかし、勾配天井の部分につくっていたはずの空気を通すすき間が、断熱材の膨らみにより閉塞され、小屋裏に行かなくなっていたのです。(下の写真左側)
その結果、小屋裏内に湿気が滞留し、下の写真右側のような内部結露を起こし、屋根合板の裏面には水滴がしたたるほどに結露していました。
幸い、軒先換気口を設けていたので、外壁が結露するようなことはありませんでしたが、点々のように見えたり、キラキラした感じに映っているものは、屋根合板の裏面に付着した水滴です。
このような勾配天井は、都市部では各種斜線制限の関係で、比較的多く発生します。
かといって天井の高さも出来る限り高く取りたいので、天井面と屋根合板の間は必要最小限で済ましたい。その結果、計算では断熱材の厚みと通気のためのすき間30mm程度を確保出来る寸法を撮ったつもりが、実際には天井下地等々で断熱材を押し上げ、その結果、空気の通路が閉塞されてしまうのです。

気象条件kちょっとした違いで事故は起きる!

このような事故は2018年の1ヶ月に2件。いずれも東京23区内の普通の住宅地で起こりました。改めて気象条件を調べてみると、たまたまですが、この年は寒さが平年よりも厳しかったのです。

前年2017年1月、最低気温が氷点下を記録したのは1月14~16日の3日間と24~26日の3日間で、最大でも氷点下2.3℃止まりでした。
しかし、2018年の1月は氷点下になる日が6日の1日間。12~15日の4日間。そして、22~31日は実に10日間連続となり、さらに25日には氷点下4℃になっていました。

発覚が遅れる工事の不備

いずれの住宅も築数年を経ています。
平年の寒さであれば、通気層が閉塞されていても内部結露などの事故は発生しなかったのですが、少し気象条件が厳しくなったときに、内部結露が発生しました。

なぜ、今年に限って内部結露が生じたのでしょうか。

実は、私たちの住宅の結露事故は、ちょっとして気象のバランスが崩れたときに起こるのです。

人間で言えば、若いときに痛めた傷を抱えていても、普通に暮らしていればその傷が痛み出したりはしないものの、疲れや体調の変化でぶり返す、というのと似ています。

このように建築工事の不備は、ある条件が整わないと発生しない場合も多いので、発見が遅れるのですね。

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