液状化には、
- 均一な粒子の砂質地盤
- 水があること
- 大きな地震の3つの条件
が必要で 前ページで、①の条件は、必然的に『人工的な埋立地』で多くが作られているという説明をしました。 今日は②の水の話です。
液状化は、砂地盤の中にたっぷりと水が存在していなければ液状化は発生しません。
地下水は海沿いほど浅く、高台ほど深い
では、地面の中の水分はどういう状態になっているかというと、下の図のように、当たり前ですが、海岸線に近いほど、海水があるために、地下水位は地表から近いところに存在します。 反対に高地、台地といったところでは、標高が高く海よりも高いところにあるのですから、地面に降った雨水は、土に中に浸透しつつ、より深い地層に達します。
つまり、一般的な傾向として、海に近いほど地下水位は浅く、高地に行くほど地下水位は深いところにあります。
そのために今まで、海岸付近の埋立地での液状化現象が話題になりました。すでに誰もの頭から消えゆく記憶ですが、阪神大震災の時は、芦屋浜、ポートアイランドといった海岸沿いの埋立地で液状化が起こりました。
内陸部の液状化の原因
東日本大震災では、内陸部の千葉県我孫子市や香取市でも発生しました。
私は現地を見たわけでもありませんし、土地勘があるわけでもありませんので、報道からの推測ですが、ある報道は次のように伝えています。
「なぜ、内陸の我孫子市にも液状化現象が起きたのか。その理由は市の北部を流れる利根川。液状化は、川沿いの沼地を埋め立てた場所で起きていた。」
「香取市の市街地にも液状化の被害は広がっていた。江戸時代から続く水路と町並みで多くの観光客が訪れる地区では、川底がせり上がって船が乗り上げた状態になっている。」-(日テレNEWS24より引用)
この報道を見る限り、河川の近くで、しかも沼地を人工的に埋め立てたところ、あるいは昔から水路が多くもともと水が豊潤だったところのようです。
河川も水路も「水」が流れていますから、地下水位も極めて浅いところにあります。
このように地下水位が浅いところとは、
- 海岸の埋立地
- 海に近い平地の沼、池の埋立地(地下水位が浅いところにある)
- 海材でなくても河川付近の沼地、池の埋立地
などは①人工的な砂による埋立地、②地下水位の高い地形、大きな地震の液状化の3つの条件にぴったりなのです。
でも言い換えれば、いくら砂地盤の埋立地であっても、地下水位が深い場所では液状化は起こらない・・ということになりますね。