時代劇を見ていると、当然ガラスなどはなく、和紙を貼った障子か、ふすま、そして、外部との遮断は今では雨戸と言われる、木戸しかありません。
欧米では、ある時期からガラスが出始めましたが、中世ヨーロッパの窓も木戸でした。
私たちが、ひどい住宅環境だと思う、それらの住まいは、本当に寒かったのでしょうか。
もちろん、その時代に住んだこともなければ、住まい全体の断熱性能そのものが違いますから、一概に比較できませんが、科学的には、次のようになります。

不思議なことに、すきま風と言うものを無視すれば、今のガラス窓(シングルガラス)よりも、障子や襖の方が熱を伝えにくい。つまり、より断熱性能の高い材料なのです。
昔の人は障子や襖を使いながら、何らかの方法ですきま風を防ぐ方法を知っていたのかもしれません。
茶室に見られるような、小さな空間で、周囲が土壁で作られ、入り口も狭く、雪見障子のような小さな窓しかない部屋。
そして、お茶のための熱源があるこの部屋は、実はその時代の最高に贅沢な空間だったのかもしれません。
いずれにせよ、人類はその土地で快適に過ごすために、科学の根拠はなくても、利用できる最大の材料を一番有効に使っていたのかもしれません。
贅沢さはなくても、寒さを遮断し、家の中央の囲炉裏が部屋を暖め、意外と寒くなかったのかもしれませんね。そして、障子もふすまも取ってしまえば、夏には自然の風通しが十分暑さをしのいだのかもしれません。 |
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