
冬になると、「吸気口からの風が寒いが、吸気口を締めても良いか」といったご相談をいただくことがあります。また、相談をしようと考えなくても、吸気口からの風が寒く、すでに冬だけは、吸気口を閉めてしまっている方もいるかも知れませんね。

■下手をすると結露が起こる
サポートサービスを受けられたお客様から、建物が完成して初めての冬の終わり頃に「窓が結露して困る」というご相談をいただきました。
その建物に伺ってみると、サッシや窓廻りの木部にビッシリと濡れた形跡があり、窓廻りの木部などは部分的に変色していました。
現象自体は一般的な表面結露なのですが、暖房器具に加湿型のものをしていたわけではありません。室温もやや低めで暖房が原因のようにも思えません。よくよくヒアリングをして原因を探ってみると、結露の原因は、吸気口からの風が寒くて締め切っていたことでした。
・写真−窓面の結露
サッシとガラスにびっしりと水滴。当然サッシの廻りの木部も湿気ます。

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■ついつい閉めてしまう!
それが問題!
高断熱高気密住宅の吸気口
このような現象が起きやすいのは、高断熱・高気密住宅なのに、
1.サッシが普通のアルミサッシで断熱サッシではない。(ペアガラスは最近はどの住宅もほとんど使われている)
2.第三種寒気で吸気は自然吸気
この2つの条件が重なり、かつ、吸気口の形状や位置がマズイと、寒い風が直接体に当たってしまいます。そうなると、どうしても吸気口を締めたくなるのが人間の心情でしょうね。
しかし、吸気口を締めてしまうと、気密性が高い分だけ部屋の水蒸気が排出されず、断熱や気密性能の高い住宅ほど結露しやすい環境になってしまいます。

■吸気口のいろいろ
吸気口の種類まで気を使って決めている人は少数派でしょうが、いろいろなタイプがあります。写真左は、吸気口の側面4方向から外気が出て行くタイプで最も費用も高く、中央と右側のものは、正面から直接吹き出してくるタイプです。やはり、直接風が来ない左のタイプがお勧めですね。
この下の写真のように、吸気量を調整出来るタイプのものもあります。

■高断熱高気密も、換気次第
高断熱、高気密を謳っている仕様でも、熱交換型換気扇まで取り入れている住宅会社はまだまだ少数派で、第三種換気の自然吸気口でお茶を濁しています。しかし、高断熱、高気密の建物になるほど、吸気口からの冷たい外気は敏感に感じるものです。
高断熱、高気密を考えている人なら、吸気口の位置や換気方式といったところまで配慮しておく必要がありますよ。
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