下の図を見れば一目瞭然ですが、マンションはいわば「密集体形」とも言うべきもので、このような並び方では、一番外側に並んだ人は風が吹けば寒いですが、真ん中にいる人は、風など感じません。
反対に戸建てのように「分散体形」で人が並ぶと、風が吹けばみんな寒いです。
では、部屋の暑さ、寒さに大きな影響を与える太陽を考えるとどうでしょうか。
戸建て住宅は否が応でも、四六時中太陽が当たります。
でも、マンションに太陽が上あるいは横から当たるのは、最上階の人と両翼の人だけです。それ以外の人は、バルコニーと玄関以外は太陽も風も受けません。
つまり、戸建て住宅は、その6面−床、外壁の4面、屋根−全てが太陽や外気にさらされているのに、マンションの、特に中央の住戸は、たった2面なのです。
そして、上下左右の住戸が季節に応じて同じように冷暖房をかけていれば、そこからの熱の伝わりはありません。 上下左右から熱の伝わりがなければ、バルコニー側と玄関側の外気に接したところだけから、熱が伝わってくるだけなのです。
6面 VS 2面では、どう転んでもマンション(中住戸)の勝ちですね。
マンションは、このような理由から中央住戸に済む限り、構造上の特性から『何もしなくても快適』です。戸建て住宅もそうなんだと思ってしまうと、それは大間違い。戸建て住宅では断熱に気を使わないといけない。
同年代に建てられた建物を比較したとして、マンションと同じ断熱上の快適性を確保しようとすると、戸建て住宅では、「次世代省エネルギー」レベルの断熱性能を持っていないとなかなか太刀打ちできないでしょうね。
気密性の違いもよく言われることですが、なによりも、太陽と外気の当たり方が全く違うのです。

日当たりが悪くて寒い賃貸マンション、あるいは公団や古い社宅などマンションでも断熱材そのものが入っていなかったり、薄くしか入っていないマンションは結露が悩みの種、というマンションも多いですが、マンションそのもののもつ特性は上のようなことなのです。
つまり・・・・・
戸建て住宅で、分譲マンションの中住戸レベルの断熱快適性を期待するのなら、少なくとも戸建て住宅で言うもっとも高断熱なレベルの断熱性能は必須なのですょ。
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