プランと断熱効果

これからプランを考えていく際には、少し予備知識として前もって知っておいた方がよいことがあります。

このページでは、そういった省エネ、断熱を考える上のポイントを書いています。

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1階と2階の違いを知る

数年前にサポートサービスを受けられた方から『家が寒い』というご相談をいただきました。 「寒いです。断熱工事に不具合があるのだろうか」というお電話をいただき、なにがどう寒いのかのお話をしていたとき、以前はどんなところにお住まいでしたか・・と聞いてみると、鉄骨系の賃貸住宅の2階だったとか。
これでなるほどと思ってしまいました。

  • 2階に住む人は、夏は屋根から熱が入るので暑いですが、冬は1階の住戸が暖房をしていれば、その暖気が上に上がるので、あたたか。
  • 1階に住む人は、夏は上に階があるので太陽熱も届かず涼しい。反対に冬は床下から冷気が伝わるので寒い。

戸建て住宅の1階と2階も全く同じで、1階は寒く、2階は暖かい。それは、いつも太陽が屋根に当たって暖かい2階と、いつも日影になっている1階の違いですね。
窓も同様に2階は日差しが入りやすく、1階は入りにくい。このような環境の変化が、1階と2階に大きな変化をもたらします

特に2階リビングの場合は、夏の暑さ対策が必要ですよ。
(断熱材を規定値よりも厚く、2倍程度にしておくなどの対策)

大きな窓は断熱無視

よく住宅雑誌などを見ていると大きな大きな窓を付けた住宅を目にするときがあります。そういう家はほとんどが「建築家」「デザイナー」なるものが設計した家に多いようです。

『HORIサン。暑くて暑くてたまりません。なにか解決方法はありませんか。』
右の図がそのときの西面立面図。(下の写真はイメージ写真です)3階建てで、階段部分を全てガラスにしています。確かに全面ガラスです。図面は西面立面図なので、西側の外壁です。これに西日が当たったものなら、暑くてたまりませんねぇ。でも、そうそう簡単な解決方法などありませんね。

「建築家」「デザイナー」と粋がっている一握りの人たちの中には、このような「建物の見栄え」だけを優先して設計し、実際に使う人のことをないがしろにしている設計者がたくさんいます
彼らは、「雑誌写りの良い作品」を作りたいためにこのようなものを設計しているのですが、そこに住む人は大変です。

でもね。建築主だって、自分が見栄を張って依頼した立場上、「いや~。建築家に設計してもらったが失敗だったよ」なんて口が裂けても言いません。住宅雑誌の取材があるときは、「いや~。大変使い勝手よく設計していただきました」なんておべんちゃらを言っちゃってさ・・。

大きな窓の対策としてLow-Eガラスも良いとは思いますが、コストは非常に高くつきますし、太陽にさらされれば、やはりLow-Eガラスでも熱は確実に入ってきます。断熱といっても要は、熱の侵入を遅らせているだけですから、時間が経てば入ってきます。さらに外側にすだれなどの遮蔽材も取り付けにくいですから、ひたすら暑さ我慢か、エアコンフル運転の生活と化してしまう場合もあります。

あこがれの大きな窓。
いいですねぇ~。
でも、日差しと空調を考えておかないとあとで大変な目に遭ってしまいますよ。

リビング階段は、熱を逃がすトンネル

最近、リビング階段を採用される住まいが増えています。
必ずリビングを通るようになるということで、子供とのコミュニケーションなどでは良いのですが、いわゆる高断熱・高気密、次世代省エネルギー仕様の高い断熱性能が無いと、この階段部分は、夏冬ともにトンネルのような効果をもたらし、図のようにせっかくリビングで暖められた暖気が、どんどん上に上がっていきます

暖かい空気は上に上がるという自然に摂理ですが、廊下を一生懸命暖めても仕方ありません。
そういうときは、カーテンなどで仕切るのも暖気を上に逃がさない良い方法です。
(暖かい部屋の上の暖気が上るのを防ぐ目的ですから、足下が空いていても問題ありません)

もう一つは、階段の前にドアを付ける方法ですが、寒さ対策で最初から、引き戸を設けられた方もいましたよ。本当は踊り場を設けて、ドア(引き戸)が作れるようにしておくと「冷暖房対策=光熱費を少なく」は完璧なのですが。。。。

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