基礎断熱の弱点

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基礎断熱 VS 床下断熱

基礎断熱と床下断熱。どちらが良いのでしょうか。
この話は少し主観を交えた話となることをご了承ください。

私は基礎断熱に賛成ではありません
反対と書かなかったのは、「基礎断熱が良い」という人達(建築士や住宅会社)に配慮して、柔らかく書いたに過ぎません。
イエスかノーかでいえば、ノーです。
(さて、これを言うだけで、基礎断熱賛成派には、敵と写りましたね!!)
当然に、その理由を書かないとダメですね。

基礎断熱を薦めない理由

初年度にカビが発生しやすい

右上の写真は、基礎断熱で建てた家の床下でカビが発生した写真です。カビが大きな塊となって、点々と土台や大引きという部材についています。
カビが発生する理由は、床下の換気が十分ではなく、基礎コンクリートからの水分蒸発と相まって、床下の湿度が高くなっているのに、うまく湿気を排気できないために、床下が結露の一歩手前のような状態になり、そこからカビが発生していきます

今までの事例では、基礎断熱の1年目に結露事故を起こすことがほとんどで、私の方にも今までに4例の相談がありました。基礎断熱そのものが割合的に少ないのに、事故の比率が高いのです。

右の図や写真でもわかるように、床下というのは案外閉鎖的で、空気の回らない空間なのです。基礎の立ち上がりが細かく立っているために、四隅や小さな空間では空気が循環せず、湿度がいつまでも高いまま残ってしまうからなのです。

また、コンクリートは乾燥しているように見えて、実は少しずつ水分を蒸発させています。その水分が床下に滞留してしまうことも原因の一つなのです

床断熱の厚みが変えられない

床下断熱の場合は、断熱材の厚みを厚くすることで断熱性能の幅がひろげられるのに対して、基礎断熱の場合は多くは50mm程度の断熱材に限定されます。その結果、もっと断熱性能を上げたい、といった対応をすることが出来ません

このような理由から、私は『基礎断熱をお勧めはしない派』なんですねぇ。

基礎断熱の印象

基礎断熱の方法には、外断熱と内断熱があります。外断熱は北海道など寒冷地で多く採用され、内断熱は本州など温暖地域で採用されている例が多いです。

基礎断熱のメリットは、気密化工事が容易。床下が蓄熱槽として利用するパッシブ住宅的な発想があります。そして近年では床下に空調機器を設置して、韓国の「オンドル」ならぬ床下を空調の為のスペースとして考える方法もでてきています。

韓国の「オンドル」式に床下を暖気で暖めれば、1階の床はポカポカした空気に包まれ暖かくなるでしょう。このような積極的な利用の場合は問題は生じにくいですが、空間として何も活用しない基礎断熱の場合は、一番大きな弊害は、上で書いたような換気不十分によるカビの発生リスクです。(注:基礎断熱でも床下に24時間換気の排気口を設けますが、数が少ないために換気不足に陥るのです)

ただ、このカビの発生も最初の1年を過ぎると劇的に発生頻度は低下しますが、それでも床下は比較的高湿度である事に変わりはありません

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