建築主最大の武器-契約

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違法建築や手抜き工事があったとき、ほとんどの場合は債務不履行(契約違反)不法行為(違法行為)という武器を頼りに戦います。そして、この武器は契約時に取り決めた図面や仕様が細かければ細かいほど効果的な武器になります。
違法建築であれば、建築基準法に不適合な部分を徹底的に立証して、建築会社の不適切な工事を暴露し、必要な損害を賠償するように求めますし、手抜き工事であれば、建築業界の広く標準的と認められる工法から逸脱し、それによって建築主に損害を与えた部分の賠償を求めます。

また、特に債務不履行(契約違反)は、仕上げ表や仕様書など、あなたが建築会社に注文した内容が文章で記録された書類があるほど強力な武器となります。

たとえば、あなたが、建物の土台をヒバ材で指定していたと仮定しましょう。あなたが契約書に単にヒバ材と書いていれば、心持ち材としてのヒバ、それ以外のヒバ、或いは集成材のヒバのどれを使用すれば良いことになります。
しかし、契約書に心持ち材のヒバと具体的に記載していれば、建築会社がその土台を使っていなければ契約違反、すなわち債務不履行として取り替えはもちろん、すでに完成し取り替えが難しい場合は損害賠償を請求することが出来ます。

しかし反対にあなたが、土台の樹種を指定していなければ建築会社はどんな土台を使っても良く、建築基準法に適合した防腐処理土台をつかっていれば良いことになります。
そして、建築会社が何の防腐処理もしていなかったら、不法行為として賠償請求をすることが出来ます。(注:特定の樹種は防腐処理をする必要はありません)

このように、契約とは単に金銭面や支払い条件、あるいは契約約款に書かれている細かな規定をチェックすることはもちろんですが、もう一つ大切な側面は、『私の注文したものは○○だ。』と具体的に仕様書、仕上げ表或いは図面に反映させることなのです。

曖昧な注文は曖昧なものをつくってもよく、細かな注文ほど、それを厳密に履行する義務を建築会社は負うことになります。
上の土台の例に限らず、契約という行為は単にお金をいつ払う、いつまでに建ててもらう、といった事だけに限らず、事細かな取り決めを結ぶことによって、あなたの権利を保護する仕組みになっています。なにも言わなければ中庸の建物を建てればよい。細かな注文をし、それを図面などに明文化するほど、それを守らなければならないという拘束力は強くなります。
つまり、あなたを守るのは、あなたが行う契約行為そのものなのです。

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