■ 構造材
いわゆる木造で使われる構造材には、次の3つに大きく分かれています。
集成材や乾燥木材は、日本の資源材の高くなった穴を埋め、自然素材の保つ不均衡な強度を補完したりする目的で成長してきました。
構造材に限らず、多くの木材が海外から輸入されています。合板、ラワンといったなじみのある材料のほとんどは海外のものです。

■構造材の豆知識
その昔(?)、建物を建てるときは、その土地の木材を切り出し、1年間切り出した木材を自然乾燥させた上で刻み(加工)をおこなっていました。
その土地の木材を使うということは、その土地の気候風土に順応した材料であり、1年間保管して使うということは、木材内部の水分を乾燥させるに必要な期間でした。
しかし、現在ではこのような悠長なことは出来ません。
コストと品質をバランスさせる。そのため、集成材や人工乾燥材が生まれてきました。
■木材の見た目の分類
木材の強度は、JAS(日本農林規格)などで「甲種構造材」「乙種構造材」といった区分や、E110、E90といった機械的な強さの区分があり、機械的等級などは集成材に使われて、無垢材で使われることはありません。むしろ、古来から見た目の善し悪しを表した等級がよく使われています。
それは「特1等」とか、「小節」「上小節」といった等級の方がなじみが多いのが木材です。
柱を例に取ると、柱の四隅の角に全く丸みが無いのが「特一等」といわれる等級で、柱の使われている材は、これが一般的です。
これ以外に、節の有無で「一等」が「無節」まで5つの等級に別れています。
角の丸みは、樹種によって価格が異なりますが、もっと大きく異なるのは、やはり「節」の有無による等級でしょう。

■材料のコスト
では、具体的にコストはどういう感じかというと、下表のようになります。
壁の中に隠れるような柱などの部材は、「特一等」と言われる材が使われますが、樹種によって多少の価格差がある程度です。土台、梁なども同様ですが、和室などの柱が見える面で節の少ない「上小節」を使うと、節の有無を問わない「特1等」との価格差はもっと広がります。
木材では、樹種による価格差もありますが、「節」の有無による価格差の方が大きいですね。

注:壁内などに隠れるところに使われる柱は、「特1等」を使います。
和室など見えるところに使う柱は、「小節」「上小節」「無節」などの等級で価格が違ってきます。
■工事費全体の中の木材コスト
仕様や材料によって価格構成は変わるので一定ではありませんが、いろいろな統計値などを見ていると下記のような構成が一つの参考になると思います。
まず、住宅建築費の73%程度が建築に関わる工事費で、20%程が設備に関わる工事費。残りは諸経費です。
そして、全工事費の中の35%程度が木工事というものに使われ、大工の工賃が全工事費の23%前後。
構造材、造作材などの木材費は、全工事費の約12%となっています。
使用する仕様や材料でこの内訳は変化しますから、全工事費の概ね10〜15%前後が木材費という事になります。
そうすると、たとえば2000万円の家を建てたとき、木材費が12%と仮定すると240万円ほどで、構造材はその半分ですから120万円程度と言うことになります。
仮に、「材料のコスト」で見たように、構造材に高い材料を選んでも、せいぜい数十万円のアップというところでしょうか。
案外材料費って、早々高いものではありませんね。
ただ、その増額分を何に使うかはその人の価値観次第では無いでしょうか。 |