戸建住宅4つの取得法

このサイトをご覧になられている方のほとんどは、いわゆる『持ち家志向』の方だと思いますが、住まいにもいろいろな形がありますね。
少し整理をして、その良い面悪い面を比べてみましょう。
そして、いま戸建て住宅を選ぼうとしているあなたも、もう一度、なぜそれを選ぼうとしているのかを振り返ってみましょう。

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戸建て住宅とマンション

どちらが良いのかは、人それぞれですが、戸建て指向の人であっても最初は両方見比べて、マンションも良いかな、いや戸建て住宅だ・・と思案されたに違いありませんね。

上図は、戸建て住宅とマンションの代表的な違いを並べてみましたが、同じ取得価格で比較すれば、マンションの方が駅に近く、生活も便利です。また、転売などの住み替えも戸建て住宅よりは容易で、日々の管理も管理会社が行ってくれます。あなたが落ち葉の掃除をする必要もないのです。

反対に戸建て住宅は、駅よりも遠く不便である場合が多い反面、広さがあり、間取りも自由に考えられ、マンションに問題が生じたときに組合で長々と協議をしなければ決まらないと言った不自由さはありません。

修繕積立金・管理費・駐車場使用料

上のような違い以外に戸建て住宅とマンションの大きな違いは、「修繕積立金」「管理費」「駐車場使用料」といったものが、ローンとは別個に負担しなければならないことです。駐車場については、駐車場も分譲してしまう分譲方式と、分譲せずに賃料を負担してもらう賃料方式の2つに別れていますが、分譲方式であれ、その費用負担が必要なのは同じですね。

仮に「修繕積立金」「管理費」「駐車場使用料」の合計が月に25,000円前後必要だとすると、戸建て住宅の一般的なローン完了時期≒建て替え時期と想定される35年後には、1050万円の費用を営々と支出し続けていることになります。

もちろん、これらの費用は、20年後、40年後と言った大規模修繕であったり、共用部やエレベーターの日々の清掃その他の管理費、そして駐車場の賃料などに必要なのですが、戸建て住宅であれば、日々の清掃は自分達で行い、駐車場は敷地内に確保するのが普通です。また、大規模修繕も、築20年頃にせいぜい2~3百万円も行えば十分でしょう。そのため、これらの費用をどう考えるか、そして別な側面では、マンションの耐用年数は50年とも60年とも言われていますから、これらの価値をどう考えるかということも選択肢の分かれ目の一つとも言えます。

戸建て住宅、4つの取得方法

では、戸建て住宅に目を転じてみると、マイホームを手に入れるためには、土地を捜して注文住宅を建てる。建築条件付きの土地で建物を建てる。分譲住宅を買う。中古住宅を買ってリフォームする。という大きくは4つの方法に別れます。

土地を捜して、注文住宅を建てる

土地を捜して購入し、その土地に注文住宅を建てる方法は、希望の土地、希望の広さ、希望の間取りを手に入れることが出来ますが、周到な準備が必要で、2、3年はじっくりと土地探しをする覚悟が必要です。また、当然に時間も手間もお金もかかります。
資金計画もゆとりと柔軟さが必要になってきますが、それだけの手間暇に見合う自由さを手に入れることができます。

この中には、「古~い中古住宅」を買ってしばらくの間住み、もう一度自己資金を蓄えて建て替えるという方法もあるでしょう。

建築条件付きの土地に建物を建てる

持ち家の一時所得で多いのが、次の建築条件付きの建物でしょう。面積は狭いが駅に近い、といった物件も多く出回り、購買層に応じた価格設定をしているために資金計画も立てやすく、建物の広さもイメージしやすいのが特徴です。
ただ、標準仕様以外に追加工事、オプションなどを依頼すると、最初の資金計画からオーバーしてしまい、計画を考え直す、といった場面も出てきます。

注文住宅を建てると言う意識ではなく、間取りやデザインをある程度考えられるセミオーダーの住宅と考えた方が良いでしょう。

分譲住宅

次に多いのが、どちらかというと郊外に多い分譲住宅です。間取りは決まっていますが、建物のグレードは建築条件付きの建物よりも高い場合が多いです。 いずれも資金計画は立てやすいですね。

また、上の建築条件付きの建物では、小規模な業者も参入しているために建物の品質の格差が激しい(価格格差ではありません)ですが、 分譲住宅の場合は、大手ハウスメーカーや、電鉄系住宅メーカーなど、どちらかというと大きな会社が多く、品質も安定しているという特徴があります。
実は中古住宅のねらい目もこのような建物は品質的にも安定しているため、当たりはずれが少ないのが特徴ですよ。

中古住宅+リフォーム

総務省の統計では、住宅の半数が築15年以内であるという調査があります。
良質の中古住宅を見つけられれば穴場的な方法なのですが、問題のない建物なのかの見極めや、リフォームの費用がどの程度かかるのかなど、相当専門的な要素が強く、建築士あるいは工務店などとの二人三脚で進めると非常によいお買い物物件にあたる可能性を秘めていますが、自分たちだけで突っ走ってしまうと落とし穴に陥る危険もある方法です。

なお、上の分譲住宅で説明したように、大手が開発した大規模分譲地では、建物の品質格差は比較的少ないですが、都市部などの個別に建てられた戸建て住宅では品質のバラツキは大きいでしょう。

 土地+注文住宅間取り自由
建築条件付き建物
分譲住宅中古住宅+リフォーム
間取りデザインの自由度×
ガレージの確保
取得までの期間××
資金計画の容易さ××
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ちょこっとCOLUMN

間取りやデザインの自由度

注文住宅などは、間取りやデザインが自由に出来る反面、将来少しでも、売却を考えているのなら、個人的な指向性が強い間取りは価格を低く査定されてしまいます。
建てる家に特徴的な間取り、個性的なデザインをしたいのなら、あなた限りの永住指向である必要がありますよ。
反対にグレードイメージの高い外装や、部分的であれファサードの高級タイル張りなどは売却時の好印象ポイントになります。

住み替えの自由度

これはマンションの方が有利でしようね。また、上と関連しますが、売却を考えているなら、へんてこりんな間取りは売れにくくなります。
味けがないようでも、2LDK、3LDKといったベーシックな間取りの方が万人受けして売りやすいのです。

最初からメンテを気にするな

最初に家を建てるときは、一生懸命メンテナンスの計画を考えたりする人がいますが、でもいざ建物が完成すると、子供の世話や教育などに追われて、家のことなど顧みなくなるのが普通です。それで良いんです。 現在の建物は、キチンと建てさえすればそうそうメンテナンスを心配する必要はないでしょう。

マンションの「修繕積立金」などから連想して、戸建て住宅にも計画的な貯蓄と修繕計画が必要なのかな、と考えられる方もいるようですが、戸建て住宅は結構ファージーなんですよ。家を計画する段階から、あまり神経質にメンテナンスなんか気にしてはダメですよ。

リフォーム対応

プロの目から見て、意外とリフォームしやすいのは、マンション。
2X4工法の建物は壁が取りにくく(撤去)、間取り変更を伴う大改装には不向きです。軸組工法でも建坪が小さいと筋交いや柱など取れないものも多くなり、意外と大規模な間取り変更は難しいものです。

その点、外側にコンクリートの壁しかないマンションでは、水回りの変更は少し制約がありますが、それ以外では大幅な間取り変更も可能で、終の棲家として戸建て住宅を売却して住むにはぴったりの広さです。木造場宅の場合は、大規模リフォームをするときは新築から25年以上は経っているでしょうから、最後のリフォームという事になりますね。ついでに耐震補強などもすると効果的です。

将来の建て替えは

これは私の私論ですが、住宅取得を考えるときに、建て替えは考えない方がよいでしょう。なぜなら、あなたが余命を終える30数年、あるいは40年後、あなたと同じように子供達もどういう生活をしているのか分かりませんね。あなたの子供達が、今の家で住む確率はどのくらいでしょうね。

そして何よりもそのころには人口減で土地余りかも知れません。

建て替えより子育て後

上のような建て替えの時の心配りをするぐらいなら、老後のことの方がより身近でしよう。住宅を取得するときには子供達がワーワーと騒がしかった年代ですが、それはわずか20年程度の間です。子供達が巣立ったそれからは、どちらかという夫婦二人きりの「老後」という世界が待っています。

足腰が弱くなっていくそのころには、子供達が騒いでいた2階はもう使わない部屋となっているのです。

自分たちのために使え

建物は建った時点からその価値は下がっていきます。木造住宅の法定耐用年数は24年ですし、取引実態としても20~25年で建物の価値はゼロになります。 そして、土地もこれからの人口減少社会を考えれば値上がりするところは限られています。

また、中古住宅の価値基準は、建物の広さ、部屋数、築年数が基本です。凝ったドアであったり、変わった陶器製の洗面台、あるいは自然素材だ、床暖房だ・・と言ってみたところで、ほとんど評価には加味されません。

つまり、建物は、自分のお金を自分のためにどう使うのかを考えるのが、これからの住まいづくりなのではないでしょうか。

 ひとくちDATA
持ち家率(マンションも戸建ても含む)日本の持ち家率は、2018年の総務省調査によると、全体の持ち家率は61.2%。都道府県別に見ると、持ち家率が最も高いのは秋田県の77%、次いで富山県、山形県、福井県、岐阜県と続き、持ち家率が最も低いのは沖縄県で44%。次いで東京都45%、福岡県、大阪府、北海道と続きます。
持ち家取得の年代(マンションも戸建ても含む)29歳までは10%程度と低く、30歳代になると30歳代前半では30%程度、30歳代後半では50%程度と大きく上昇します。これ以降、年齢層が高くなるにつれ持ち家率も上昇し、60歳以上では80%台となっています。
空き家率の上昇(持ち家、賃貸すべてを含む)空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)は昭和33年以降一貫して上昇を続け、平成10年に初めて1割を超え、平成30年には13.5%となっています。
 用語解説
分譲住宅間取りなどが確定されており、建築確認が通ってから販売されている住宅。
建築条件付き土地(詳しくはこちら建物を売り主又は売り主が指定する工事会社で建てることを土地の販売条件とする代わりに、一定期間の間に建物の設計や見積もりを行い、契約に至らなかったときは土地の契約が白紙解約され、かつ、支払っていた手付け金の返還される契約販売方法

下記のページでも、不動産取引の注意点を紹介しています。

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