契約の原点

最初の項で説明しているように、住宅は日常生活の場面では消費者(建築主)と生産者(住宅会社)が直接契約行為を行う唯一の消費行為です。

日用品、家電製品、自動車、家具、旅行、保険、金融などほとんどの商品は生産者がある幅で商品を提供し、その中から選別して自分の気に入った商品を選んで購入します。
契約という大げさな行為もなく、保険のように契約行為があったとしてもほとんど横並びのひな形が整えられています。

しかも保険を例に取れば、せいぜい扱っている保険会社の数は指折り数えて数えられる程度の会社の数ですね。

でも、建築会社は全国に数万社以上にのぼります。
日本の住宅が1軒として同じ間取り、同じ外観の住宅がないように、建築主の数だけ違うタイプの住宅と契約行為があるのです。

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契約行為の原点

契約約款なんて初めてで、見てもわからない。
あまりチェックしていると相手を信用していないと思われる。

と、自分をごまかす返答がよく聞かれます。その時点であなたは負けているのですよ。

でも契約行為って突き詰めれば非常に簡単なことなのです。

  1. 私の建物はいつ完成するの?
    完成日を決める。もし、完成日がずれると困る場合は違約金も考える。
  2. 支払いはどうすればいいの?
    相手と対応に交渉できる唯一の手段です。
  3. 私の注文はこれこれよ?
    それをあらわすのが仕様書や図面。補完をするのが議事録です。
    言った、いや聞いていないをなくすことに付きます。

実はこれだけなのです。
それ以外にも工事中の火災や災害などの不足の事態もありますが、概ね民法で規定されていますから、あまり気にする必要はありません。

払い条件=もの申す消費者

工事中に業者と対等の立場で交渉できる唯一の手段は支払い条件です。
お金を払っていなければ、悪いから直してください。

注文通りじゃないから直してください。こんな品物は受け取れません。
といえますが、もし、あなたが代金をすべて先払いしてしまったら、少々出来映えが悪くても泣き寝入りしなければなりません。

すべてが安全であり、安心な商品が提供されるという誤解を決して持たないようにしましょう。

ちょこっとCOLUMN

建築会社の倒産

今までの生活の中で、ある会社が倒産したからといって、生活や家計に響く出来事などありません。でも、工事の途中で業者が倒産した。なかなか修理に来ない。といったことも、生産者(住宅会社)と消費者(建築主)が直接契約をするから起こっている問題ですね。

インターネット通販で物を買ったが、宣伝文句と大違い。でもこの場合は次から利用しなければいい。
でも、一度契約してしまうとそうはいかないのが住宅の契約です。

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