工事で一番最初に気になるのが『基礎』です。
そこでいろいろ勉強をしてきた人は、基礎のコンクリートの『養生』や『凍結』、『強度』が気になります。なにしろ、肝心要の建物の基礎ですから。
工事が気になる人でも、基礎がしっかり出来ていると、次は上棟後の建物の構造が気になりますが、それも出来ていると、多くの人は安心して気持ちは完成後に向かいます。
木造を手がけている住宅会社の多くの設計者、現場監督は、木を使った建物の上屋については詳しい人でも、コンクリートや鉄筋を扱う基礎に疎い人が多いです。木と鉄とコンクリートは違うので、何となくの苦手意識もあります。
ざっと、世の中の傾向はこのようなものです。
そこで、冬にしか出来ない、超簡単な、『出来る現場監督』と『ダメ監督』の見分け方を伝授しておきましょう。
ちなみにこの方法は、冬にしか使えません!!
方法は、『基礎のコンクリート強度はいくらで打つんですか』・・と尋ねる。これだけです。
◎『27または30N/mm2』という返事が返ってきたら『出来る現場監督、あるいは基礎を知っている設計者』
×『確かめます』といったら、『ダメ監督』です。
たったこれだけの質問で、あなたが担当している現場監督の出来る~ダメ度がわかります。
注:N/mm2は、ニュートン・パー・平方ミリメートルというコンクリートの強度単位ですが、21とか、24とか、27といった数字だけ確認すれば良いです。
別な言い方をすると、「コンクリート強度は21で打つんですか。24ですか。27ですか」という聞き方でも良いです。
現場でもいちいちN/mm2なんて単位をつけて読んでいませんから。
見分けられる理由
冬季、特に11月から2月末までは気温が低く、コンクリートの強度発現が遅く、温度補正というものをおこないます。夏であれば21N/mm程度のコンクリートで良いのですが、上の関係で冬季は27N/mm以上のコンクリート強度をもったコンクリートを打設する必要があります。
その理由は、コンクリートの強度発現は強度の高いコンクリートほど強度発現が早い、というという特性があるからです。
これは、コンクリート工事の常識的なことなので、このように「冬季は強度発現が夏よりも遅く、そのため温度補正をして、打設するコンクリートの強度を上げ、27N/mm2以上のコンクリートを打つ必要がある」と理解している現場監督は、躊躇無くそう答えます。
あるいは、キチンと下請けにコンクリート強度を指示をしている現場監督なら、当たり前の事ですね。
工事を監理し、理解しているからすぐに答えられるのです。
反対に、下請け任せの現場監督は、実際にはコンクリートに興味もありませんから、最初は「確認します」というような返事しかかえってきません。(もたちろん、下請けに聞いた後に返事はかえってくるでしょうが・・)
私の内緒話
私も第三者監理で基礎のチェックに行くときは、コンクリート強度の質問もするのですが、現場監督の返事で、いとも簡単にその人のレベルがわかってしまいます。
即答できる人は、後の工事も安心かな~と勝手な想像をしていますが、「う~ん。おい、いくらだった」と近くにいる基礎屋に尋ねる現場監督は下請け任せのダメ監督と判定しています。
そうなると後の工事もキチンと理解してしているのか気になりますね。
「どんなコンクリートを打ったって、事故なんか今まで起こしていないよ」と寝ぼけた感覚を想像させる現場監督もいるので、何ともいやな気分になるときがありますが、そういうときは、「おいおい、そんな知識で工事なんか監督するなよ。もとい。監督じゃ無く、段取り屋だったな。ゴメン、ゴメン。次のチェックも気をつけなくっちゃ・・」と心の中でつぶやいています。
あなたも試してみては・・。
もっとも後者の方だと、後が少し心配ですね・・。