防湿シートの破れやシートを端まで敷いていない事を気にされている方がいます。
防湿シートを基礎の下に敷き込み理由は、その名の通り、床下の防湿が目的です。
しかし、そもそも床下の防湿は、
- 厚み6cm以上のコンクリート
- 厚み0.1mm以上の防湿シートを敷き、その上に厚み5cm以上の乾燥砂を敷く
のどちらかで良いのです。
そのため、現在主流となっているべた基礎の場合は、最低でも厚み12cmある底版コンクリートだけでも十分な床下防湿が可能になっており、基礎パッキンなどによる床下換気も備えているため、あえて防湿シートを敷き込む必要は、床下防湿という目的だけで考えれば、特にありません。
べた基礎は破れていても、大勢に影響なし
住宅工事の多くは、理由もわからないまま、慣例的に行っているものもあります。あるいは、他社がやっているから、施主からのクレームを避けたいという意味でやっている場合もありますが、べた基礎の場合は、防湿シートが破れている。途中で止まっているからといって、特に気にされる必要は何もありません。
- きれいに敷きこんでもらった方が気持ちよい。
- あちこち破れていると不安だ。
という気分の問題はあっても、床下を乾燥させるという目的から考えれば、大勢にまったく影響のない話なのです。
材料の透湿抵抗(m2hmmHg/g)・・数字が多いほど透湿性が無い
- 厚み100mmのコンクリート・・・・70
- 厚み20mmのモルタル・・・・・・ 4
- 厚み9mmの構造用合板・・・・・・10
- 防湿シート・・・・・・・・・・260
防湿シートは捨てコンの上でも下でもかまわない
上記の理由から、防湿シートは、べた基礎の場合はおまけのようなものですから、捨てコンのあとで敷き込んでも、先に敷き込んで捨てコンをその上から打っても、何も問題はありません。
床下防湿は、底版のコンクリートでも十分なため、防湿シートはおまけ程度に考えておきましょう。
でも、防湿シートの敷き方で、基礎屋さんの仕事の丁重さぐらいは値踏みできるかも知れません。
布基礎は確実に
しかし、布基礎の場合は、べた基礎と異なり、厚い底版コンクリートはありませんから、防湿シート+コンクリートを打設するぐらいの慎重な工事がのぞましいです。
下記は、防湿シート+コンクリート用の鉄筋を配置したところ。
基礎断熱は防湿シートが必要
なお、基礎断熱にして床下に床下換気口を設けない工法の場合や、逆べた基礎などで、床暖房を底版コンクリート内に埋設するような特殊な工法の場合は、土中の湿気を完全に遮断する意味で、底版のコンクリートがあっても、防湿シートは敷き込んだ方がのぞましいですよ。