ネット情報と経験の違い

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工事の不安、心配

 

  住まいを立てるということは、ほとんどの人が初めての経験です。

そのため、このサイトでは、いろいろな不安が寄せられています。

・基礎にジャンカが一杯出来ているが大丈夫か?
・冬なのに養生期間がたった1日で、大丈夫か?
・アンカーボルトが傾いているが大丈夫か?

といった内容で、だいたい、基礎工事が始まった頃が多いですね。

そして、そういう不安が生じたために、工事中ながらこのサイトのサポートサービスを申し込まれる方がいます。
あるいは、不安に対して、十分な説明が無かったために基礎工事のやり換えを業者に求めたり、保証期間の延長を求めたり、欠陥工事だと声高に叫んで収拾が付かなくなっている人もいます。

でも、こういうご相談の多くは、建築主がある情報から聞きかじった一面だけの情報を頼りに判断していたり、建築会社の説明が悪く、不安や不信感を助長してしまっているだけで、実際は建物の強度や耐久性に影響を与えることのないチョットした工事ミスであった、という場合がほとんどです。

そして、その場合のほとんどが、ネット情報を元に建築主の方が判断していると言うことです。

 


■育児ノイローゼ
これらによく似たケースに育児ノイローゼがあります。
子育てが育児書に書いてあるとおりにならないといって、育児ノイローゼにかかる母親がいます。昔であれば親子二世帯、三世代があたりまえであり、若い親の知らないことはおばあさんやおじいさんが教えてくれたものですが、いまは核家族が普通になり若い親は自分の分からないことは育児書に頼るようになりました。

その結果、育児書といわれるマニュアル通りでないと自分の子はおかしい。マニュアルに書かれていないことに遭遇すると対処出来ない。。というケースとよく似ています。


■レントゲン写真とマニュアル重視の弊害
下の写真は、いろいろ病気にかかっているレントゲン写真です。この4つの中で1つだけ健康な写真があります。
あなたは、その写真を見分けることが出来ますか。
下の写真のように、並べられれば、何となく、左の2枚は影が多そうだから病気にかかっている肺の写真かもしれない、といった推測は出来ます。でも、右の2枚の写真は、ほとんど同じです。どちらが健康な体なのかは、普通の人ではわかりません。ました、4枚の写真を別々の時間に、別々に見せられたら、どれが健康な肺かなど、決してわかりませんね。

つまり、マニュアルがどんなに詳しく書かれてあっても、ある部分では経験を積まなければ物事の正否を正しく判断することは不可能なのです。


■不安の根元
では、不安の根元とは何でしょうか。実は不安を抱く人とそうでない人も情報の量はそんなに違わないでしょう。

むしろ、その情報をどう判断したのか、で違いが出てくるのだと思います。
冒頭で書いたように、多くの人はマニュアルや基準書に書かれている事柄から逸脱していれば、すべて間違い施工だ。あるいは欠陥工事がされたのだ。と錯覚をし、判断してしまっているのです。


■虫食い野菜
今ではほとんどのものが虫食いの品物が店頭に並ぶことはありません。スーパーの店頭に並んでいる野菜には、虫ひとつありませんし、虫に食われた葉っぱもありません。
家庭菜園をした人ならわかりますが、ほうれん草に、白菜、キャベツの葉が虫にかじられ、あるいは葉っぱの中に虫が付いていない方が不思議なのです。

その違いは何でしょうか。農薬の違いですね。虫に食われ売れない野菜を作るぐらいなら、農薬を散布して虫を殺す。もちろん見た目もきれいだし、買った後の調理も簡単です。
でも家庭菜園や無農薬野菜をすれば、虫が付かない方が不思議です。でも見栄えも悪く、十分に洗わないと葉っぱの裏側に虫がいた、、など調理のための手間も大変です。

でも、そういう虫も見たことがない。きれいな虫に食われていない葉っぱしか見たことにない生活をしていると、工事現場で行われている出来事は疑問と不安のオンパレードなのです。

それにマニュアルや基準書の記載通りでないと、それは正しくないもの。という見方でしか判断出来なくなってしまっているのです。

例えば、現場を見に行ったときに「こんなんでいいの?」って 感じる個所は少なからずあるもので、その疑問をぶつけられる ルートは確保しておかないと神経が持ちません。


■知識だけの危うさ
結局、いくらネット情報があふれかえり、いろんな情報に触れようと、上のレントゲン写真の例のように、ある程度以上の判断は『経験が無ければ善し悪しを判断できない』ものなのです。
ところが、あまりに多くの、そして深い情報が並んでいるために、あたかもYES,NOで書かれたマニュアルを読むように、その知識だけで善し悪しを判断してしまう悪い癖が、結果として無用な不安を生じさせ、業者との軋轢を生んでいることがよくあるのです。

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