うまくいくコミュニケーション術とは?

インフォームド・コンセント」と言う言葉があります。
その意味は、簡単に言えば「説明と同意

『医師が患者に対して、治療内容の方法などを、分かりやすく説明をし、そのうえで治療の同意を得ること』

のようですが、サポートサービスを受けられて自宅を建てられたあるお医者さんが、「私も医師をやっているが、自分で家を建てて、やっと本当の意味のインフォームド・コンセントが分かったよ」と言われた事がありました。どういう意味だったのでしょうか。

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建築主の抱く不安(ある医師の感想)

そのお医者さん曰く、家を建てるときは当然自分の専門外なので最初はチンプンカンプンだし、いろいろな本を読み、情報を集めて勉強をした。でもそれでも確証の得られる話とそれだけやっても、よく理解出来ないあるいは判断出来ない話が混在している。

つまり、家を建てると言うことはある一定量の『不安』を抱えているのだと。

そしてそれは、患者が医師に診察してもらうときの信頼しつつ不安を持つ心理と同じなのです。

そこから、医師と患者のコミュニケーションが始まるのですが、このコミュニケーションの取り方にもうまい、マズイがあります。そのお医者さんは、何を感じたのか。

それは、そのお医者さんが家を建てることによって、始めて『患者』という立場と同じような立場に立ったことにより、

  • 建築士への要領を得ない質問
  • 建築士の返事を消化しきれない建築主
  • この建築士で大丈夫だろうかという不安
  • このことは心配しすぎなのだろうかという焦燥
  • こんな事を聞いては失礼だろうか

・・・といったまさに医師と患者の「インフォームド・コンセント」の関係そのものだったのです。

患者になって初めてわかったこと

その医師が感じられたことは、『私は患者に対してキチンと「インフォームド・コンセント」をしていたつもりだが、私がいざ患者という立場になってみると、はたしてそうだったのだろうか。』ということだったのです。

その方が言われたことを端的に言えば、家を建てることで 『患者の気持ちが始めて分かった』 と言うことだったのです。

そこから、私(医師)は患者にキチンと説明したつもり、相手も分かったような素振り。でも、家を建てるときの私と建築士の事を考えたら、本当に納得してもらっていたのだろうか。という反省だったのです。

言い換えれば、この方自身も完全に納得がいった説明を受けた、という事ではなかったのです。

  • 説明不足の建築士や現場監督
  • 自分の意図を適格に説明出来ない建築主
  • 時間がないので何となく納得してさやに収めている建築主

・・と良くある構図です。

この関係は建築主と設計者、建築主と営業マン、建築主と現場監督、といったすべての関係に言えることなのですが、では、本当に信頼出来る関係を作り出すにはどうしたらいいのでしょうか。

うまくいくコミュニケーション術とは?

上の話では、患者と同じような立場に立ったお医者さんが、その立場になって初めて患者の気持ちがわかった、という話をしましたが、では、お互いの立場を超えてうまくコミュニケーションを図るにはどうすればいいのでしょうか。

コミュニケーションには、必ず自分と相手という二人以上の人が必要です。
その一番大事なことは、『コミュニケーションの半分の責任は、あなたと相手の両方がそれぞれ持っているということ』なのです。

そのためコミュニケーションは、お互いが理解しようとする努力をしなければ成立しませんし、「わかった」という了解の言葉を返さない限り、本当の意味でも理解は成立していません。

その結果、前回のお医者さんのように、『自分は説明をしているつもりなんだが・・』と片方は思っているかもしれません。
しかし、患者にとっては、『聞きたいことを半分も聞いていない』という人もいたかもしれませんし、『不安だが任せざるを得ない』とコミュニケーションを最初から放棄した人もいるかもしれません。あるいは盲目的信頼というものを持っていた人もいるでしょう。
あるいは、全部確認をして、すっきりした気持ちでいた人もいるでしょう。

その違いは、結局、相手の問題ではなく、『自分として納得できたのかどうか』という自分の判断と、『どこまでそのことに対してコミュニケーションを図ろうとしたのか』という自分の行為が結果を左右しているのです。

中途半端でも仕方ないと思えば、それはそれであなたの判断。
すっきりしたいと思えば行動に移せば良い。
それだけのことですね。
すっきりしよう、納得して前に進もうと思えば、『遠慮せずに、きちんと質問し、疑問を残さない』ということになります。

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