含水率を下げた建築用の乾燥木材のこと。
この反対はグリーン材・・未乾燥木材。
含水率を下げると木は安定し、強くなり、耐久性も増す。
Green材・・・グリーン材(未乾燥材)
Kiln Dried材・・・乾燥材
乾燥木材とは
生木と言われる切り出したばかりの木材は、含水率も高く、当然たき火をしても燃えにくいものです。 でも、切り出してから少し時間を経た木は、乾燥して、たき火に使ってもよく燃えます。
そして、木材は切りだしたばかりの木材は、強度も強くなく、安定せず、また、乾燥していく過程で収縮し、木が反る、といわれる現象や寸法が小さくなる、といった「木が狂う」という言葉に代表される現象を生じます。
注:どんな木材でも、木材を切り出してから早いものは1~3ヶ月程度、長くかかるもので2~3年で自然乾燥され(平均半年から1年で樹種や個体差が大きい)、自然状態の含水率約20%程度に下がっていきます。
製材直後 | 未乾燥材 | 乾燥材 | |
寸法 | 乾燥収縮を考えて製材する | 乾燥収縮の過程で寸法が小さくなる | 一定 |
割れ | 乾燥収縮の過程で割れが発生することがある その対策が「背割り」と言われるもので、最初から割れを発生させておく | 乾燥度合いによって、割れや反りが発生する | 起こらない(起こりにくい) |
強度 | 含水率は50~60%程度ある | 保管、乾燥状態によって含水率は異なり、強度も異なる | 木材は含水率30%程度以下になると安定した強さを発揮する |
耐久性 | 乾燥されないままだと、木材は腐っていく | 乾燥している木材を吟味して使うことが大事 | 長い |
KD材の基準
KD材の含水率の基準は次のように決まっています。
どんな材料でも含水率が同じではなく、用途に応じて乾燥材に求められている含水率も異なっています。
用途 | 含水率 | |
構造材 | 住宅の柱などの木材 | D25(含水率25%以下).D20(含水率20%以下).D15(含水率15%以下) |
2x4工法の木材 | 乾燥材で含水率19%以下と決められている | |
柱、梁の構造用集成材 | 15%以下 | |
フローリング | フローリング(合板下地等) | 14%以下 |
無垢のフローリング(人工乾燥) | 15%以下 | |
無垢のフローリング(自然乾燥) | 20%以下 |
注:乾燥の方法には、自然乾燥と人工乾燥の2つの方法があります。
なぜ乾燥木材を使う?
最近では、ハウスメーカーはもとより、工務店でも乾燥材や集成材といった乾燥された木材を最初から使う例が多くなっています。それはなぜでしょうか?
あなたが通りすがりの材木店を見ればわかりますが、どんな材木店でも、曲がった木や反った木がその店の木材の数パーセット以上を締めています。 また、どんなに乾燥させるように考えても、置き場所や積み方によっては、全ての材木を均等に自然乾燥させることはなかなか難しいものがあります。
本来は、大工さんが木の一本一本を吟味して木材を使っていましたが、いまではそんな時間もありません。
そうなるといきおい品質や強度が一定で狂いの極めて少ない集成材や乾燥材を最初から使った方が多少コストが高くなっても、後々のクレームやトラブルが少なく、また、品質管理がしやすい、といった施工側の側面があります。
もちろん、価格はグリーン材よりもKD材の方が高いです。
床下換気、小屋裏換気、そして外壁通気工法
下の3つは、建物の耐久性、言い換えればその骨組みである木材を乾燥状態にする事によって、木材の耐久性を高め、あるいは維持し、その結果として建物の耐久性を高めるという大切な役割があります。
床下換気口 | 建築基準法では、木造住宅には床下換気口を設けることが義務づけられています。この規定の最大に理由は、建物に使われている木材を常に乾燥した状態に置くことにあります。 |
外壁通気工法 | 近年多く採用されている「外壁通気工法」も木材の乾燥を維持させておく目的を持っていることに他なりません。 |
小屋裏換気口 | 小屋裏換気も小屋裏の温度上昇を控えるという目的と共に、小屋裏が高温化して異常乾燥しないことも大切な役割です。 |
グリーン材と乾燥
日本の住宅で代表的に使われる「杉」も製材した当初の木材の含水率は、50~60%程度ありますが、 その後は、製材店や工務店で寝かす(保管、乾燥させる)ことによって、約20%程度まで含水率が下がってきます。
もっとも、製材された木材の保管場所によって、乾燥度合いも異なるため、梅雨時でしかも密集した状態で保管された木材は、まだまだ含水率が高く、このような木材を使うと、反りや割れといったマイナスの現象が現れることがあります。
また、このような材木の一部には、カビが生育し、上棟したものの、柱や梁にカビがそこら中に発生したという現場もあります。
この2点は、いずれも管理が悪かった、乾燥していない木材を使ったと言うことで、グリーン材そのものを使うのが悪いと言うことではありません。
でも、完成してから木が反り、「木は反るのが当たり前」と開き直る建築会社はちょっとナンセンス。仕上げ材の小口が空く(木と木の接している部分が空いてくる現象)のも「木だから当たり前」と開き直るのもナンセンス。生乾きの木材を使ったか、生乾きかどうかもわからなかったか、木の使い方を間違ったのか・・・どちらかなのでしょう。。。。
雨と含水率
上棟しても、雨に濡れると木材は再び水分を含んでしまうのではないか?
という心配をされますが、雨などの一時的に外部から木材に侵入する水分は、晴れた天気が続けば1週間程度で、これらの水分は放散されます。木材が、もともと木材の内部に蓄えていた水分を放出するにはしばらく時間がかかりますが、雨などで一時的に外部から侵入する水分は、それよりも早く放出されますから、あまり、雨に濡れたら・・・という心配はする必要はありません。