【お断り】このページは、軸組工法2階建ての住宅が対象です。3階建てや2X4工法は影響ありません。
それは右の図のように、2階の壁の下に壁がないことを指しています。このような場合、2階の梁に大きな力を受け、その強度不足が倒壊する原因を作ったのではないかとも言われています。
そして熊本地震で注目を集めたのが、『直下率』という問題です。NHKでも取り上げられました。
直下率には柱の直下に柱があるか、壁の直下に壁が設けられているか、という2つの調べ方があり、柱の直下率とは、2階にある柱の真下に柱が設けられている比率で、壁の直下率とは2階の壁の真下に壁が設けられている比率です。
そして、その直下率が高いほど、つまり、2階の柱や壁の真下に、1階の柱や壁があるほど、耐震性は高くなる、という傾向がわかってきたのです。
point
- 柱の直下率
単純に2階に設けられた柱を分母として、1階に2階の柱の真下に柱がある本数を分子とした比率です。
- 壁の直下率
本来的には耐力壁が設けられている2階の壁の全長を分母として、その直下に1階の壁があれば、それを分子として比率を計算します。
- 梁に柱や壁を多数載せないこと
直下率の原理は、梁に乗った柱や壁は梁に大きな負担がかかるので、出来る限りしない方が良い。その割合を考えると60%程度を越えた間取りは地震の影響を受けにくい、というのが熊本地震での教訓なのです。
壁の直下率を少し考慮しよう
間取りを考えている段階で、どこに柱が来るのか、どこに耐力壁が来るのかまでを考えることは、ほぼ不可能です。そのため、間取りを計画している段階では、右図のように2階の壁の全長(m)を分母として、2階の壁の直下に1階の壁があればその長さ(m)を分子として壁直下率を計算すれば良いと思います。
そして、概ね60%を超えると地震に対して安全でしょう。