耐震性の強さの変遷

建築基準法という法律は、戦後すぐの昭和25年に出来ました。
それから今まで、多くの地震や台風の被害を受けて何回も改正が加えられています。
耐震性に関しては、昭和25年の法律が出来たときからみれば、3回の改正を加えられ、改正のたびに、建物の耐震性は高くなっています。

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昭和25年から昭和34年

耐震性の規定はあったものの、今の法律(建築基準法=耐震等級1)の32%程度の耐震性しかありませんでした。今の建物の強さにすればわずかに32%程度の強さでしかなかったのです。

昭和35年か昭和55年

昭和35年に見直しが行われたものの、今の法律(建築基準法=耐震等級1)の48%程度の耐震性しかありません。

昭和56年から平成11年(1999年)

鉄筋コンクリート造の建物などでは、「新耐震基準」と呼ばれていますが、大幅な基準改訂があり、木造住宅の改正も行われました。その結果、耐力壁の量だけは、今の基準と同じになりました。
しかし、基礎の鉄筋は無筋でもよく、ホールダウン金物などの規定は設けられていませんから、今の法律から比べれば、単に耐力壁の量の基準だけが見直されたに過ぎませんでした。このあと、2000年の構造上の細部規定が整えられるまでは、今の強さからすれば80%程度の強さと考えられます。

平成12年(2000年)の法律強化

この年、性能表示制度がつくられ、構造基準も詳細に法制化されました。耐震等級が出来たのもこの時です。(耐震等級の利用は任意です) 耐震等級2は、建築基準法の1.25倍程度の強さがあるとされていますし、耐震等級3は、基準法の1.5倍の強さがあるとされています。
それ以外に、耐震金物をつけろ。基礎に鉄筋をいれろ。耐力壁のバランスをチェックしろ、といった細かな法律上の規定も整備されました。

その原因は、木造住宅だけに限らず、建築物に甚大な被害をもたらした阪神淡路大震災でした。 その後、新潟中越地震がありましたが、建築的にはあまり特徴的な被害はありません。東日本大震災は、建物被害よりも津波と液状化に象徴される地震でしたね。

今の基準

平成12年(2000年)に耐震金物や基礎の有筋化等々の阪神大震災で判明した木造住宅の弱点が法制化されたため、昭和54年と同じ耐力壁の量でありながら、トータルの耐震性は高くなっています。
また、耐震等級という新しい考え方も取り入れられたため、基準法をクリアさせただけの耐震等級1から、より耐震性の高い耐震等級3までの、任意の耐震性を選ぶことが出来る時代に入っています。

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