熊本地震から得られた教訓は次のようなものです。
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耐震等級の地域地震係数による低減を使うな!
耐震設計をする際に、地震が少ないと考えられた地域では、『地域地震係数』を使うことで耐力壁を少なく出来ますが、熊本地震のように、「この地域は地震が少ない」という国の指針は当てになりません。設計者が無意識に地域地震係数を使った低減をしてしまう場合もあるので、そのような地域の人は注意しておきましょう。
軟弱地盤(地盤補強が必要な土地)では、耐震等級3にする
軟弱地盤では地震波が増幅され、震度が高くなることは以前から言われています。地盤補強が必要であり、かつ、4.5メートル以上と深い場合は躊躇することなく耐震等級3で設計してもらいましょう。
筋交いは補助で使え。かつ、長いスパンはダメ!
筋交いを使うかどうかは耐震設計をする設計者や住宅会社の思考が反映されやすい部分です。もし、筋交いを多用している設計者や会社であれば、熊本地震の例を研究してもらい、出来る限り筋交いは少なくしましょう。使う場合でも長いスパンの筋交いはダメです。
壁直下率も考慮しよう!
直下率が少ないほど耐震性は不利側に働きます。間取りを考えている段階で柱や耐力壁の位置まで正確に想定することは出来ませんが、壁の上下の位置はわかりますから、壁直下率が60%を超えるようにチェックしてもらいましょう。
制震装置も効果はあるが、玉石混在、補助材料として使え!
制震装置は各社各様の製品が売り出されていますが、まだ、大地震の洗礼を受けていません。効果のある製品もあれば看板倒れの製品も出てくるでしょう。耐震等級でキチンと考え、制震装置は補助装置として考えておきましょう。
耐震をよく研究している設計者や住宅会社であれば、熊本地震の教訓はすでに反映されていることがあります。耐震等級3が標準仕様だ。直下率もチェックする。という会社も見受けられるようになりました。
意識の持ちようで耐震性は見えない部分で大きく向上しますよ。