下の広告には、「一般家庭では、床と天井の温度差が15℃にも達する」と書かれています。 これだけを見ると「うわぁ。すごい温度差だ」と考えてしまうのですが、私のようにいつも小実験をしている者からすると、このような15℃もの温度差ができるような住宅は、今ではまず、お目にかかりません。
一般住宅と書き、年代も地域も書いていないのですから、これを見た人は、得てして自分の想像出来る範疇で「一般住宅」と考えます。最新の住宅とは考えないまでも、それは、今住んでいる家であったり、昔住んでいた家かも知れません。しかし、少なくとも築20年から30年程度の建物でさえ、ここまで上下の温度差が開くことはないでしょう。
私の築12年程度の家で、標準的な断熱をしていれば、上下の温度差はせいぜい7℃程度までですし、足から手の届く高さであればせいぜい3℃程度です。
このデータ自体は、石油ストーブをたいていた昔、昔の北海道の住宅だったのかも知れません。今から20年も30年も前は、断熱も入っておらず、このような石油ストーブだけで暖を取り、足は寒いのに、顔はほてるという冷えのぼせを経験したものです。そういう状況なら、床の天井の温度差15℃というのもあながちウソでは無いでしょう。
しかし、いま、その様な環境の住宅に住んでいる人はほとんどいません。
それなのに、根拠になった知識も年代も出さず、オーバーな数値だけを自社の状態と比較して快適だ・・と唱える、いわば「あざとい広告」と考えざるを得ないのです。
広告って、自分たちの優位性を浮かび上がらせるためなら、何だってしてしまいます。
ウソではないが、根拠を示さない比較広告には、このようなあざとい手法が使われている場合があるのです。
ちなみにこの■□■□ハウスという会社。断熱では当初から群を抜いてリーダーカンパニーたる会社であったし、今でも確かに価格は高いが、この会社の断熱性能に勝る会社は未だに出現していないのに、このような「あざとい広告」を載せていることに「企業のいい加減さ」を感じてしまいました。