人が快適さを感じる仕組み

私たちが寒いと感じる。暑いと感じるときはほとんどの場合、温度計を見たり、ニュースの「日中の温度は○℃」といったものを目安に考えます。
でも、
実際の体感温度は、気温だけに作用されているのではありません。
それを知ることがエアコンを賢く運用する「ツボ」なのです。

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体感温度を決める3つの要素

人間が熱を感じるのは 気温と輻射熱と湿度の3つの要素が絡み合って、暑い、寒い、快適、不快を感じています。
その中であまりピンとこないのが輻射熱。
でも、この輻射熱を理解するとエアコンの使い方が断然賢くなります。

戸外では

輻射熱の典型は太陽で、同じ気温でも、木陰と太陽が照りつける場所とでは、体感的な暑さは全く異なりますね。木陰は涼しく、排気ガスの充満する都会の道路上では体感温度は暑く感じます。
それは木陰の地面から発する熱は真夏でも気温と同程度なのに対して、アスファルトから発する温度は55℃にも達しているからです。そのような周囲の「物」から発する熱の差で体感温度も変わってきます

室内では

同じ室温が26℃でも、壁や床、天井の仕上げ材が熱を持っていると体感温度は暑く感じます。これも材料からの輻射熱が体感温度を左右しているのです。

湿度も左右する

概ね湿度が70%程度を感じると気温以上に蒸し暑さを感じます。反対に75%になっている湿度でも、わずか数パーセント下げるだけで快適さを感じることはよくあります。つまり、湿度も快適さを左右しているのです。

体感温度を決める割合

ある調査では、人が暑い、寒いと感じる要素は、輻射熱が4割、気温が3割、湿度が2割とも言われているようです。 ですから、単に今日の気温はいくら~なんて指標だけで暑い、寒いを考えるのは、実際には少し的外れなのです。

 point 1  人が快適に感じる仕組みを知らないと、エアコンを賢く使えません!
・周囲の材料の温度が体感温度に大きく影響している
・輻射熱は体感温度の4割を左右している

部屋には大きな温度差が生じている

部屋には必ず温度差が生じています。
右の図は、ある冬の私の家の室温を測ったものですが、一つの部屋でも場所により大きな温度変化があります。計ったのは夜の8時頃。気象庁計測の外気温は2.3℃のときです。

エアコン暖房前

部屋は冷え切っています。床面で12℃。目線(目の高さ)の位置で14℃です。そんなに温度差はありません。(左の図)

エアコン暖房後

でもエアコンで暖房をやり始めてしばらくすると次のようになっていました。(中央の図)エアコンをつけると、床面と目線の位置の温度差が14℃と18度で4℃もの差
室温は上がっていったのですが、上下の温度差は広がっています。
そして、びっくりしたのは窓とカーテン間の温度。なんと8℃
そして、カーテン間際の室内側の床面では12℃・・・寒いです。

これを断面的に書いてみると右図のように、窓側が寒く、かつ、床面が寒いのです。カーテンの床面12℃から、目線の位置の温度18℃まで実に6℃近くも温度差が生じています。この状態でテレビを見ていると、少しづつ室温は上がるのですが、足下は寒く、頭付近は暖かい。いわゆるのぼせる状態になっていきます。

point 2
何もしなければ、部屋には大きな温度差が生じている
MEMO 暑がりさん、寒がりさんの対策
輻射熱が体感温度に大きな影響を与えますね。そうすると使う材料で夏向きの材料、冬向きの材料と大きく別れます。タイルや石は、なかなか材料の表面温度が上がらず、夏向きの材料です。カーペットや塗装されていない木材は、なかなか冷たくならず、冬向きの材料です。これを体質で考えると、
暑がりの人は、材料の表面温度が温かくならないような材料に囲まれた部屋がよい。要は回りも冷たい材料です。たとえば、タイルや塗装された木材、シックイ、ツルッとした建材。ツルッとしたビニールクロス。(断熱的には、天井の断熱を厚くしましょう)
寒がりの人は、材料の表面温度が温かくなるようなものがよい。ということになります。回りも暖かくなる材料です。 カーペットや塗装されていない木材、布調のクロス等が適しているでしょう。(断熱的には、床暖房が効果を発揮しますょ)
point 3
暑がりさんは、天井断熱を厚く、寒がりさんは床暖房が効果的!
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