
実験−2では、わずかな隙間があるだけでも隙間のない材料の10倍の水分(湿気)を通過させてしまうことがわかりますね。
また、材料の透湿抵抗の値も、実は材料単体の透湿抵抗の値でしかありません。
では、隙間はどうして生じるのでしょうか。それは、下表のアスファルトルーフィングの材料単体の透湿抵抗値が300なのに対して、完全施工をしても材料性能値の半分以下になってしまい、雑な施工だと6にまで透湿抵抗値が下がってしまっています。このように、透湿抵抗は、施工精度に大きく依存していることがわかります。
つまり、いくら防湿効果の高い材料を使っても、施工精度がいい加減、つまり、隙間だらけでは全く意味がないことになります。
材料名 |
透湿抵抗
|
アスファルトルーフィング(材料自体) |
300
|
アスファルトルーフィング(完全施工) |
137
|
アスファルトルーフィング(雑施工) |
6
|

公庫仕様書や断熱材メーカーの施工資料では、防湿層は連続して貼らなければならないと書かれ、欠損部分は、防湿テープで補うように書かれています。でも、教科書に書かれているようなことが、実際の現場で可能なのでしょうか?
|