コンクリートを打設した直後のため、話し合いの結果、コンクリート強度の基準となるコンクリート打設後28日目にシュミットハンマー試験を行い、その結果によって工事を続行するか、基礎を解体するかの決定をすることになりました。
注:コンクリートは右図のように順次、強度が増していくため、打設直後に検査を行っても意味がありません。強度試験のブレ(偏差)を少なくするため、最低限、コンクリート打設後2週間は必要です。 |
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■既存コンクリートの強度試験の方法
コンクリートの強度を確認する方法は大きく2つあり、ひとつは写真のようなシュミットハンマーという道具で簡易に強度測定をする方法。もう一つは実際にコンクリートのコアを抜き、圧縮強度試験をする方法です。
前者のシュミットハンマー試験は、既存の基礎を壊すことなく、何カ所も測定できる反面、試験結果は少しバラツキが生じます。
後者のコア抜きによる実物の圧縮強度試験は、正確な強度がわかる反面、基礎自体をくり抜くため、数多くの試験体を採取することは出来ません。
■試験結果
右の写真はシュミットハンマーによる強度試験の当日の基礎ですが、この建物では、基礎の立ち上がり部分、基礎の底版部分をあわせ、30カ所以上でシュミットハンマー試験を行い、養生シートが外れた部分では設計強度の18kN/mm2に満たない16kN/mm2程度の強度しかなく、それ以外の部分ではいずれも設計強度の18kN/mm2をクリアしていました。
クラックもなく、基礎の外観はきれいな状態でしたが、結果として、アクシデントであったものの、一部であれ設計強度に達していなかったため、基礎を解体し、再度基礎工事を行うことになりました。
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