格差の業界

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販売者と生産者が同じ

住宅業界が抱えている決定的な問題。それは生産者と販売者が同じであるという問題です。

私たちが知っている生鮮食品も、雑貨、衣料、日用品も、家電や自動車といった商品のほとんどが販売者と生産者が別々に存在しています。そのために、A社の家電を買いたいと決めても多くの販売店から選ぶことが出来ます。
また、野菜や魚などの生鮮食品などは、生産者は小さくても問屋や販売者の段階でフィルターがかかるために変な商品は出回りません。旅館やホテルなどは製造と販売が同じように見えますが、販売のほとんどは旅行代理店が行っていますから、実質的には生産者と同じです。

つまり、生鮮食品も、日用品も家電も生産者が良い物でなければ販売者が売ってくれない。
販売店もクレームは困りますから、扱いにくい商品、不評な商品は販売店の棚の片隅に追いやられるというフィルターが機能します。

しかし、住宅業界では、生産者と販売者が同じであるためにそういったフィルターは全くありません。

格差が当たり前の業界

こんなメッセージをいただきました。

私は建築業界ではないですが家を建てる際に数多くの業者と話をしましたが、これほど値段や技術がバラバラな業界は知りません

値段も技術もバラバラなのは、前ページで書いたように住宅業界自身が年商1兆円、施工棟数、数千棟のハウスメーカーから、数千万円、2.3棟の零細企業までいろいろな格差のある業者が集まっている業界であると共に、販売者というふるいのかからない業界であるという特異な構造がなせる技なのです。

このような他業界とまったく異なる産業構造を考えれば、この構造的な問題のなため、トラブルがあり、欠陥住宅が起こるのです。
そして、この構造的な問題を知ることこそ、賢い消費者になる足がかりの一つなのです。

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