古来、液状化対策には、砂の地盤自体を締め固めて強くするサンドコンパクション工法やバイブフローテーション工法というものが開発されています。
また、地盤の水位を下げたり、水分を抜くことで液状化3条件の水を排する工法として、ウェルポイント工法・ディープウェル工法というものがあります。
これらは40年以上前から工法として存在し、いずれも大型の機械を用いて、大規模に行う必要があるため、要は多額の費用がかかります。
注:いずれも建物に対してではなく、地盤に対しての工法です。
上の大学の先生の調査方法は憤砂ですが、住宅地の道路や敷地が大きく被害を受けたのいくつもの報道の通りです。それに対してディズニーランドや南東部の工業地域の道路や地盤に大きな液状化の被害が表れなかったと書きました。
その理由は、前者の地盤(住宅地)がコストをかけた液状化対策をあまりしていなかったのに対して、後者は、十分な費用をかけて液状化対策をしてきたことが、被害を大きく分けた原因だろうと考えられます。(注:地盤全体に対しての対策です。建物に対しての話ではありません)
たとえば、住宅地では、埋立造成自体に多額の費用がかかります。そこに、さらに液状化対策に費用を上積みして坪単価を上げてしまうと、売りにくくなってしまう。まして、いくら多額の費用をかけて液状化対策をして、それをアピールしても、少なくとも東日本大震災以前では、そんなことに注意を払う消費者自体がいなかったでしょう。(もちろん、そういうことに注意を払う売り手もいなかったでしょう)
それに対して、ディズニーランドや工業地域では、万が一液状化で地盤に被害が出れば、その復旧、休業による損失など多額の損失を自ら負担しなければならないために、−建物を建てる前に−液状化対策を万全に行う。
このような取り組みの差が大きく被害の明暗を分けたのではないかと考えられます。 つまり、前者は売り手(造成・開発業者)がコストアップを嫌い、地盤としての真剣な液状化対策は考えなかった。
後者は、万が一を考え、地盤としての液状化対策を行った。 といった取り組みの違いが表れたのかもしれません。
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